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Introduction

ベグレリ(英語: begleri、ギリシア語: μπεγλέρι)は、短い紐とその両端のビーズと呼ばれる重りで構成されるスキルトイ。指に絡めて回転させるなどといったトリック(技)を習得して遊ぶ。ギリシャ発祥とされ、ギリシャの伝統的なロザリオ・コンボロイと呼ばれる道具を、指で回しやすいようにシンプルな形へ改良されたことで生まれたとされている。現在では、ギリシャに限らず、世界の様々な国で、スキルトイやEDC(everyday carry item)として親しまれている。また、毎年世界大会が行われており、競技としての一面もある。

ベグレリは、ビーズと紐で構成されている。

伝統的なギリシャのベグレリは、半貴石や動物の骨・角などで作られることが多かったとされるが、現代のベグレリは、ステンレスやチタンなどの丈夫な素材で作られることが多い。 ベグレリのビーズの大きさや重さに制限はないが、一般的には直径12mm~22mm、重さ8g~15g程度のものが多い。木材やプラスチックを使用したベグレリもあるが、木材やプラスチックのみでは軽すぎるため、多くの場合、金属の重りを組み合わせて使用される。

ベグレリの紐は、英語でstringやjoinerと呼ばれる。 現代では、2mm~4mm程度の紐が使用されている。パラコードが使用されることが多く、275、425、550といった規格が使用される。 紐の長さに制限はない。長さに応じたプレイスタイルは「ロングゲーム」と「ショートゲーム」に分けられる。

現代の主流のプレイスタイルがロングゲームである。ロングゲームの紐の長さは、手を軽く広げた際の、人差し指の先から小指の先までの長さ程度とされる。プレイ中に紐を指に巻き付けるようなトリックが可能で、行うことのできる技の幅が広く、現在ではほとんどのプレイヤーがロングゲームをプレイしている。

手の幅より2cmほど長いくらいの長さの紐を用いるプレイスタイルが、ショートゲームである。シンプルな技を素早く行うプレイスタイルであり、技のレパートリーは少ないものの、未だに根強い人気がある。

ベグレリは、ギリシャの伝統的な「コンボロイ」をアレンジして生まれたとされる。コンボロイは日本の数珠のように、ビーズを紐に通し、輪にした形をしている。ギリシャでは手慰みとしてコンボロイを指で回すという伝統があり、上手なコンボロイプレイヤーは様々な技を行うこともできた。 しかし、コンボロイはその構造上、プレイ中に紐が絡んだりビーズが移動するため、高度な技を行うことが難しかった。こうした背景から、べグレリはコンボロイの派生形として、よりシンプルで、より技を行いやすい形で誕生した。伝統的なベグレリは、コンボロイと同様に、半貴石や動物の骨・角などで作られることが多く、両端のビーズはマルチビーズ(複数のビーズを通して一つのビーズとするもの)とされることが多かった。 (ただし、ベグレリの歴史については十分な記録が残されておらず、推測をもとにした情報も多く含まれている)

ベグレリはかつて、ギリシャのマンガ文化と呼ばれる(反文化・不良的な)サブカルチャーの間で人気となったようで、19世紀後半から人気を博したレベティコスタイルの音楽(都市の労働者階級や移民の生活を反映した音楽)とも関係があったとされる。

1960年代にはロングゲームのベグレリが人気を博していたが、1967年~1974年の軍事政権下では、ロングゲームのベグレリは危険と見なされ違法とされていた。そのため、当時ベグレリはショートゲームでプレイされた。その後、軍事政権が終わりロングゲームが復活すると、これが一般的なスタイルとされ人気となった。この人気の高まりによって、素材、形、デザインなどバラエティー豊かなベグレリが生まれた。

近年、ベグレリはスキルトイやEDC(毎日持ち歩くアイテム)としてギリシャ国外での人気が高い。この人気の高まりは、少なくとも2010年代初頭のEDCフォーラムやネット掲示板の投稿まで遡ることができる。この頃は制作したベグレリや基本的な情報がシェアされていた。

2010年代中盤になると、複数のメーカーが、EDCコミュニティーで人気のあった特殊金属製のベグレリビーズの製造を始めた。

ちょうどその頃、aroundsquareがベグレリへの関与を始めた。それまでベグレリはEDCアイテムや個人用アクセサリーとしての一面が強かったが、aroundsquareはそれを基盤としながら、トリック志向のスキルトイとしてのパフォーマンスを高めたデザインを再構築し、より高度なプレイを生み出すための土台を築いた。

2015年、aroundsquareはLil’ Boss begleiの販売を皮切りに、ベグレリのデザイン、販売を始めた。また、当時は技などの業界標準名や共有語彙などがなかったため、ベグレリをホールドする「グリップ」の位置や、ベグレリの回転方向、回転面、基本的な技などに名称をつける活動もaroundsquareが先導した。

同年、TGPbegleriが創業され、ハンドメイドベグレリが販売される。

2016年には世界初のオンラインコンテストである「2016 SingleGripOpen」が開催された(aroundsquare主催)。

同年、動画制作会社のKumaFilmsとコラボし、「Begleri - 2 Beads 1 String」が発表された。

同年、aroundsquareによるベグレリチュートリアルの公開が開始され、ベグレリの基本的な技が共通認識として確立した。

こうしたベグレリ人気を受け、2017年に玩具メーカーのZingが子ども向け量産ベグレリ「Thumb Chucks」を販売。

2018年にはBegleriTwisterが設立される。

2019年にはフリースタイルの世界大会である「SlingSlam」が初開催された。

同年11月、現代ベグレリ黎明期のレジェンドであり、「Begleri - 2 Beads 1 String」に出演・SlingSlamの審査員も務めたIlya氏が白血病で死去(発表は2020年2月)し、コミュニティーに大きな悲しみをもたらした。

その後もベグレリの技術的発展は進み、日々新しい技が開発されている。また、SingleGripOpen、SlingSlamは毎年途切れることなく続いている。何より、ベグレリを遊ぶという文化は廃れることなく現在まで続いている。

私にとってベグレリは、ただのスキルトイ以上の存在だ。最高の”中毒”なんだ。いくつかの技を習得すると、プレイ中に手元を見なくてもできるようになる。これにより、ほんの一瞬でも、自分の思考に深く潜り込み、現実の世界を遮断することができるようになるんだ。 ~Ilya Indrulinas

ベグレリの練習は、日常生活に全く関係のないものであり、これまで経験したことのない動作を習得できるよう挑戦するものである。これは、日常生活の固定観念から自分自身を引き離し、自分自身に挑戦し、自分の限界をさらに押し広げる機会となる。これによって自分自身を知ることができる(参考:『すべての知識は究極的には自己認識につながる』~ブルース・リー)。指をコントロールできるようになればするほど、自分自身をコントロールできるようになる。

技をある程度習得し、自信と快適さをもって行えるようになると、「ベグレリをすると安らぐ」ようになる。これにより、周囲の世界が快適でないときでも、ベグレリを持ち運ぶことで「安らぎを持ち運ぶ」ことができるようになる。

精神的および身体的なスキルの向上

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ベグレリの練習を始めたときは、上手くいかずにフラストレーションを感じるが、これを乗り越えると技が身につくと同時に忍耐が身につく。

また、ベグレリは手全体の運動能力のトレーニングになる他、集中力や脳の柔軟性も身につくとされる。